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LOCAL LETTER

次なるステージはローカル以外ありえない!?「こんまり」プロデューサー川原卓巳が注目する、日本のローカルの魅力とは

AUG. 10

拝啓、日本の魅力を世界へと発信したいと考えているアナタへ

ローカルが好き。
けれど、その良さを上手く言語化できず、「いまいち地域の魅力を外へと伝えきれていない」と感じる人は多いのではないでしょうか。

そんな中、アメリカに住みながらも地方に可能性を感じ、「次なるステージはローカル以外ありえない!」と豪語する一人の男性がいます。その名は川原卓巳さん。

川原さんは、世界42ヶ国で1300万部を売り上げた『人生がときめく片づけの魔法』の著者である近藤麻理恵さん(通称:こんまり)の夫として奥さんを支えながら、仕事のパートナーとして彼女を「世界一有名な日本人の一人」として世界へと押し上げた、世界を代表するプロデューサーです。

川原 卓巳(Kawahara Takumi)Takumi Inc. Founder /プロデューサー / 1984年広島県生口島生まれ。大学卒業後、人材系コンサルティング会社に入社し、個人・企業向けのビジネス構築・人材戦略を行う。近藤麻理恵とは学生時代からの友人であり、2013年以降は公私ともにパートナーとして彼女のマネジメントとこんまりメソッドの世界展開をプロデュース。 2016年にアメリカ移住後、シリコンバレーとハリウッドの両方に拠点を置きながらKonMariのブランド構築とマーケティングを手がけるほか、日本発のコンテンツの海外展開もプロデュースしている。2019年に公開されたNetflixオリジナル TVシリーズ『Tidying Up with Maire Kondo』のエグゼクティブプロデューサーでもある。同番組はエミー賞2部門ノミネート。世界で最も観られたノンフィクション番組に選ばれる。2021年に新シリーズ『Sparking joy with Marie Kondo』を公開し、2022年テレビ界のアカデミー賞と称されるデイタイム・エミー賞を受賞。片づけとときめきをテーマにしたGame『KonMari Spark Joy!』も全世界で発売中。著書『Be Yourself〜自分らしく輝いて、人生が変わる教科書〜』
川原 卓巳(Kawahara Takumi) さん Takumi Inc. Founder、プロデューサー / 1984年広島県生口島生まれ。大学卒業後、人材系コンサルティング会社に入社し、個人・企業向けのビジネス構築・人材戦略を行う。近藤麻理恵とは学生時代からの友人であり、2013年以降は公私ともにパートナーとして彼女のマネジメントとこんまりメソッドの世界展開をプロデュース。2016年にアメリカ移住後、シリコンバレーとハリウッドの両方に拠点を置きながらKonMariのブランド構築とマーケティングを手がけるほか、日本発のコンテンツの海外展開もプロデュースしている。2019年に公開されたNetflixオリジナル TVシリーズ『Tidying Up with Maire Kondo』のエグゼクティブプロデューサーでもある。同番組はエミー賞2部門ノミネート。世界で最も観られたノンフィクション番組に選ばれる。2021年に新シリーズ『Sparking joy with Marie Kondo』を公開し、2022年テレビ界のアカデミー賞と称されるデイタイム・エミー賞を受賞。片づけとときめきをテーマにしたGame『KonMari Spark Joy!』も全世界で発売中。著書『Be Yourself〜自分らしく輝いて、人生が変わる教科書〜』

そんな彼が、次に注目をしているのが “日本のローカル” 。

「アメリカに移住をするという越境体験をしたことで、ローカルの魅力を再発見できた」と語るプロデューサー川原さんに、「プロデューサー視点で考えるローカルの可能性」そして「魅力発見のために大切な越境体験」について伺いました。

プロデュースに必要なのは人。海外移住で気が付いた、大っ嫌いだったローカルの魅力

2016年に、こんまりさんの世界進出でアメリカへと移住した川原さんですが、最近は月の半分ほどを日本で過ごしているのだそう。ですが、訪れる場所は東京や大阪といった都市部ではなく、「ローカル」と呼ばれる首都圏からは離れた場所ばかり。アメリカで生活をしながら、改めて日本のローカルに注目した経緯はなんだったのでしょうか。

「ありがたいことに『 “世界で一番知られている日本人” をプロデュースした日本人』として、海外の方と話す機会が増えていったときに、海外の方は日本好きが多いことを直接感じました。日本好きの理由は色々あって、日本がつくり出す高い品質だったり、優しくて穏やかな性格や働き者という国民性だったり、とにかく日本の良いイメージをたくさん聞いて。

ですがその一方で、海外のメディアを通じて日本のニュースや話題を聞くことはほぼゼロだったんです。日本のグローバルなニュースと言えば、野球の大谷選手か “こんまり” ぐらい。あとは一切聞こえてこないんですよ」(川原さん)

日本にはいいものがたくさんある、日本好きの外国人も多い。それなのにも関わらず、海外のメディアで日本がフィーチャーされていないことに対し疑問を抱いていたという川原さん。その理由を考え尽くした結果、行き着いたのは日本のプロデュース不足という見解でした。

「日本人の特徴だと思いますが、外に出る経験・越境体験をしていない人が圧倒的に多いんですよ。外の世界を知らないから、自分たちが持っている価値に気付けない。僕は約30㎢ほどしかない瀬戸内海の島(生口島)の出身なんですけど、元々は大の田舎嫌いでした。でも、たまたま仕事で日本を離れたことで、あんなに嫌いだったローカルに、どれだけの魅力が詰まっているのかを知ることができたんです。

ローカルは食べ物が美味しいのに、生活コストが低い。満員電車に乗らなくていいし、場所を選ばず仕事ができる時代にもなった。更に言うと、日本ぐらいなんですよ、県を越えるだけで特色の違う物が食べ放題みたいな環境は(笑)。でもその個性はあまり注目されていないんです。つまり言葉選ばずに言うと、リアライズされてない価値が残っていて、これからどんどん面白くなるのってローカル以外にはありえないんですよ」(川原さん)

さらに川原さんは、ローカルに注目している点として「コミュニティとしての発展」を挙げていきます。

「究極、プロデュースに必要なのは人なんです。ローカルは今、環境が整っているだけでなく、 “おもしろい人たちが集う場所” になってきている。僕の信念として、『楽しいことを共有する以上の信頼関係の創造はない』と思っていて。

だからこそ、僕が行き先を決める時の判断基準は『面白い人がいるかどうか』。面白い人がいる場所に、僕が知っている面白い人を軒並み連れていく。そしたら面白い人同士で化学反応が起こるんですよ。それを僕が一番楽しんでいる感覚です」(川原さん)

化学反応が起き続けることで、面白いことが生まれ、面白い場所に進化する。結果的に僕が動き回ることで、日本を世界から注目される場所に表現できたら最高で、それが今の僕の役割かなって思っています
川原 卓巳 Takumi Inc. Founder

“あたりまえ” から “ありがたい” へ!魅力発見のヒントは五感刺激の “滞在” にあり!

川原さんの姿勢から見えてくるのは「訪れること」への信念。観光ではなく、滞在することを強く意識しているという彼の想いについても深ぼります。

「『片付け』をキーワードに、麻理恵さんと二人でグローバルな展開に進むことができた一番の要因は、移住したことだと思うんです。そこに住み、暮らす選択をしたことで、その場所に住む人たちの営みを理解することができました

これが、日本に住んだまま出張として海外に訪れているだけだったら、その場所に住む人たちの感性にたどり着くことはできなかったと思うんです。その場所のリアルを理解できたからこそ、世界的なムーブメントを起こすことができた。だから、毎回移り住むことはできなかったとしても、五感を通して過ごすことが大事。その場所を訪れて、食べて寝て呑んで語るは基本だと思っています」(川原さん)

現地を訪れ、営みを共にすることで、その場所のリアルを知ることができると語る川原さん。そこに、中だけの視点ではわからない「あたりまえ」に対する気付きがあると話します。

「ローカルでは特に『たくさんあることの病』があると思っていて。外からすると高値を払うぐらいの価値があるのに、地域には『こんな新鮮なものが、この安さ!?』ってことがよくありますよね?

地元の人たちからすれば、そこにあることが当たり前だから、その価値に気付けない。でも、特別だと気付くことで『 “あたりまえ” から “ありがたい” 』に変わっていく。結論、そのためのヒントは、越境体験を何度も重ねることだと僕は思っています。他の地域からの視点を加えることが、あたりまえから抜け出せる近道なんですよ」(川原さん)

世界的プロデューサーが新たに挑む理由。背中を押した妻の言葉

現地訪問を重ねながら、ローカルの魅力を再確認している最中の川原さん。しかし、ここで素朴に疑問に思うのが、川原さんの熱量の高さ。既にプロデューサーとして大成功を収めていると言っても過言ではない川原さんが、「今新たに動き出そう」と前進する熱量はどこから生じているのでしょうか。

「痛い奴だと思われるかもしれないけど、僕は昔から、教科書の年表に載るような生き方がしたかったの。 “年表に載る=(イコール)何かインパクトを残せた人” 。だからこそ、自分もインパクトを残せるような命の使い方をしたいとずっと思っていました。このことに通じるかはわかりませんが、麻理恵さんは昔から僕に対して『私よりあなたの方がすごい』という言葉をかけてくれていたんですよ。『私はあなたの前奏曲。だから、私と一緒にやる仕事や経験は、後のあなたの人生で活かして』と。

前奏曲と言いながらその後、麻理恵さんが世界一の日本人になっちゃうし、前奏としては偉大過ぎるんだけど(笑)、でも麻理恵さんと一緒にやりはじめてちょうど10年。麻理恵さんの言葉の力を借りるなら、僕自身の協奏曲は今からなんですよ」(川原さん)

麻理恵さんのことを「僕の可能性を一番期待してくれる存在」と述べる川原さん。

「彼女は、誰よりも僕の人生を楽しんでるんです。だから、僕の命の使い道を考えた時に、僕自身がすごく日本を好きだし、日本の為に何かをしたいと思っています。そして、“今の日本の状況が、あるべき姿か?” と言われるとそうじゃないと感じているので、自分にとって、そしてみんなにとって幸せだと誇れる日本をつくりたいですね」(川原さん)

おもしろい人と旨い飯!川原さんがときめく日本のローカル

最後に、今改めて川原さんが大切にしていることについて伺いました。

シンプルに楽しむことですね。僕の想いは、人生の目的=幸せになることだから、幸せを減らしてまで何かをしようっていうことは一切思っていないんです。僕にとっての幸せの一番は家族。だからこそ、仕事で共有しているカレンダーにも家族の為の時間を必ず入れて確保しています。

僕自身はそんな生き方をしている一方で、今の日本には疲弊して苦しそうな人たちがたくさんいるとも感じています。こんなにも素敵な価値で溢れている国なのに。だからこそ、ローカルという目の届きやすい範囲で、みんなが誇りをもって幸せを感じて生きていける仕組みをつくって、いずれは国全体に幸せを広げていくような、実証実験を続けていきたいとも思っていて。そのためにも、僕はこれからも面白い人と旨い飯を求めて、どんどんローカルに出没しますよ!(笑)」(川原さん)

ローカルの可能性に想いを馳せ、終始キラキラした笑顔で話をしてくださった川原さん。取材後に今後のスケジュールをお聞きすると、日本全国を飛び回る予定でぎっしり。

アメリカだけでなく、日本全国を飛びまわるという越境体験を重ねることで見えてくるプロデュースの本質は、 “心のときめき” を大切に行動してきたからこそ、見えてくるものなのかもしれません。

先日札幌市で開催されたローカルプレイヤーが集まる祭典「EZO SUMMIT」にご登壇された川原さん。地域プロデュース・企業ブランディングを手がける古田秘馬さんとの、熱量溢れるトークセッションの様子をまだご覧になられていない方は、こちらの記事も要チェック!

Information

地域共創コミュニティ「LOCAL LETTER MEMBERSHIP」会員100名突破!

場所に縛られずに、 オモシロい地域や人と もっと深くつながりたいーー。

LOCAL LETTER MEMBERSHIP とは、「Co-Local Creation(ほしいまちを、自分たちでつくる)」を合言葉に、地域や社会へ主体的に関わり、変えていく人たちの学びと出会いの地域共創コミュニティ。

「偏愛ローカリズム」をコンセプトに、日本全国から “偏愛ビト” が集い、好きを深め、他者と繋がり、表現する勇気と挑戦のきっかけを得る場です。

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・本業をしながらも地元や地域に関わりたい
・地域で暮らしも仕事も探求したい、人が好き、地域が好き、旅が好き
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Editor's Note

編集後記

“本質を見抜き、多くの人に伝え導くこと” を本業とするプロデューサーの川原さんだからこその言葉が詰まった今回の取材。私が移住者だからこそ特に響いたのが、「本質を見抜くためにはその地で生活を営むことが大事」という言葉にぐっときました。

「地域の価値を見出すことは越境体験を積んだ外の人たちの方が行いやすい。そのためには現地の人との信頼関係が必要だし、だからこそ、僕が現地に行って、食って、飲んで、語る!そうしているうちに『いいよ、お前が言うんだったら』っていうゆるい繋がりが生まれるんです」

外から価値を押し付けるのではなく、価値を見出すために誰よりも行動をし続ける川原さんから目が離せません!

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