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『文化をつくる』は、北本の未来をつくる。|マーケットの学校 第3回レポート

DEC. 01

KITAMOTO, SAITAMA

前略、マーケットの理解を深めたいアナタへ

地域の中でより豊かに暮らす人を増やすことを目指し、「暮らしの中で楽しみをつくる」をキーワードに、埼玉県北本市で『マーケット』をテーマとした実践的な講義「マーケットの学校」。

講義編の第3回目が開催されました。当初の予定では北本市内でフィールドワークを行う予定でしたが、1回目、2回目の実施内容をうけて、場所を見てマーケットを考えるのではなく、「やりたいことや関わりたいことから場所を選択していく」ということもマーケットをつくる考え方の一つではないか。という問いから「北本でマーケットをつくるにはどのようにしていったらいいか」とディスカッションしながら、よりマーケットを深堀りする回となりました。今回は、そんな第3回目の様子をレポートします。

<講義編:全5回>
【第 1 回】 9/5(土)13:30~16:00
  改めてマーケットって何なのか考えてみよう「マーケットの話」
【第 2 回】 9/19(土)13:30~16:00
 実際にやっている人に話を聞いてみよう「マーケット運営者座談会」
【第 3 回】 10/3(土)13:30~16:30
 マーケットを妄想する1 「北本でのマーケット文化を考えてみよう」
 → <変更>北本でマーケットをつくるうえでどうしたらいいかをディスカッション
【第 4 回】 10/17(土)13:30~16:30
 マーケットを妄想する2 「北本でのマーケットのフィールドを見てみよう」
【第 5 回】 11/8(日)13:30~16:30
 マーケットを妄想する3 「北本でのマーケットの実現に向けて」

 ※第1回~第3回の様子は、以下サイトよりご覧いただけます。

きたもとで考える「マーケットの学校」(北本市ホームページ)

「公益性のある」マーケットは継続する

北本市は、マーケットを単に売買が行われる場所ではなく、好きなものやコトでみんながつながっていくことで、まちの愛着が高まるものとして注目。市民の「やりたい」に、行政がどのようなサポートで応えられるのか、そんなことを参加者の人たちと一緒に考えたいという想いから「マーケットの学校」を開催しています。

第3回目の今回からは、フィールドワークを予定していましたが、マーケット文化を北本市に根付かせ、やりたいことができるまちを目指すために「なにをもって良いマーケットなのか?」を深堀りすることになりました。こうして柔軟に講義の内容を変更できるのも、みんなの温度感を大切にしているからなのでしょう。

冒頭は、観光協会の江澤さんが進行をしながら、ゲスト講師の建築家・鈴木美央さんがこれまでの講義を振り返るところからスタート。回を重ねるごとに、新たな参加者も増え、マーケットに可能性を感じる人たちが多いことがうかがえます。

江澤さんは、マーケットの規模の大きさに良し悪しがあるわけではないとした上で、「開催すること自体が目的やゴールなのではなく、マーケットを通してなにを体現するのか?が大切な考え方だ」と話します。

「市民のやりたいマーケットができるまち」であることが、地域の愛着・まちの価値になると考える北本市。では今回の本題である「なにを持って、市民たちにとって良いマーケット」と言えるのでしょうか。

その点について江澤さんは「 “公益性” があるマーケットといえるのが大事である」と話します。

場があることで、訪れた人が「いいな。自分もやってみたい」という気持ちが醸成され、実際に行動することで循環していく。それが江澤さんのいう “公益性” 。この循環こそが、まちの魅力を高めていくと江澤さんは考えます。

これまでの講義を通じて、ゲスト講師の鈴木さんも「地域でマーケット文化が育まれる必要性」や重要性」を提言しており、地域におけるマーケットづくりがいかに重要なのかが少しずつ見えてきました。

立場を理解し、自分の関わり方を考える

「マーケットの学校」は、単なるノウハウを知る場ではなく、お互いに話をしながら理解を深め、考えをためていく場。参加者は、主催者、出店、サポートなどマーケットにおいて関わりたい立場はそれぞれです。

だからこそ、マーケットがまちの中で継続して行われていくためには、それぞれの立場を知ることも大事な要素。自分の立場や役割だけでなく “横断的” に物事を考えることで、より関係者の必要性や可能性を理解し、それぞれの得意や “やりたい” 部分で力を発揮することができます。

そこで、第3回目の講義では、参加者それぞれが「どのようにマーケットで関わりたいのか」をシェアする時間を用意。

実際に北本でマーケットをするにあたって、自分が「何をやりたいのか」「何ができるのか』をお互いに伝え合うことで、どのようなサポートがあると実現しやすいのか、など具体的な意見を出し合いました。

各グループに分かれた参加者は、時間いっぱい活発なディスカッションを実施。その後、全体で出された意見も少しご紹介します。

普段から、自分自身も主催者としてマーケットや地域のイベント関わっているという女性は、北本市の考え方に可能性を感じているようです。

行政が市民と共にまちに文化をつくろうとしているのはすごいと思った。主催者目線でも、行政が市民と一緒に楽しんでいるクレイジーさが伝わると、参加しやすくなるんです。あとは、 “マーケットを文化にする” という考えは面白いと思いました」と、自分のやりたいことを実現する土壌がある北本市に大いに期待を寄せていた。

一方で、大学生の参加者からは「情報をとる手段がない」という意見も。現在北本市に住み、母親とともにさまざまなイベントに足を運ぶのが楽しみの一つと話す彼女は、まちの情報がキャッチしずらく、自分でも積極的に知ろうとする機会をつくっていなかったことから、まだ北本市に思い入れがないという率直な気持ちを明かしました。

さらに彼女は、同時に「朝市やマーケットが開催されていれば見にいきたい」という気持ちを持っていることも話し、まちを知ったり、触れるきっかけになるマーケットの情報を知れる機会が増えたら嬉しいと話しました。

また、脱サラをしてレザークラフト作家として活動している方は、「自宅に工房があり、レザークラフトの魅了や活動を知ってもらうために主催者として、イベントやマーケットをやりたい」と考えていたところに、北本市の「マーケットの学校」を知り、参加を決めたんだそう。

さらに、営利目的で使用するかどうかで、場所を借りれるか否かが変わることに疑問を持っていることも打ち明けてくれました。

この点についてゲスト講師の鈴木さんは「なにをもって営利目的なのかということが明確になると良いのではないか」と話し、利益の金額に応じて営利や準営利のように定めるのも一つの方法ではないかと伝えました。

さらに、鈴木さんは公共空間を貸し出す際の課題として、利益が出ることを良しとしない行政の考え方に警鐘を鳴らします。

マーケットを継続させる上で、多少の儲けは必要であり、その営利行為を続けることで、地域振興になると考える鈴木さん。主催者が儲けを出せなければ、せっかく始まった活動を継続すればするほど、主催者が疲弊する元になると話した上で、マーケットを継続させ、地域に定着させるためには、「やれない仕組みづくり」より「市民が与えられた空間を存分に生かして楽しめる仕組みづくり」を考えるべきだと鈴木さんは、強く伝えます。

北本でマーケットができる場所を知る

参加者の話を聞いた上で、続いては、北本市の考えを共有する時間に。

「マーケット」を切り口にしているのは、まちの人たちに「北本市が良いまちであると認識してもらいたい」という北本市の想いが前提にあり、マーケットの学校を通じて、まちの人たちが「北本市をオススメしたい」「まちづくりに参加したい」と思えたり、お互いに感謝しあえるまちづくりを目指す北本市。

そのために、マーケットの学校では、今の北本市には何が必要で、どのようなコンテンツがあるのかを、これまでの講義を通じて、参加者の皆さんと一緒に模索してきました。

改めて、北本市はマーケットが地域愛を高める重要なコンテンツだと捉えており、マーケットへの想いの強さや本気度が伝わります。

この北本市の想いに対して、ゲスト講師の鈴木さんは「行政がマーケットを語れること、マーケットを大切にするという宣言ができるということが、文化をつくる上で大事なことだと思います」と、北本市の意気込みに期待を寄せました。

そして、この日の最後は次回のフィールドワークに向けて、各フィールドの紹介がありました。

いよいよまちに繰り出して、北本市のマーケット会場を見学するフィールドワークがあるということで、北本駅西口駅前広場やキッチンカーエリアを有する北本市農業ふれあいセンター、雑木林のある中央緑地、アーケード付き商店街のある北本団地エリアの4箇所を発表。

これまでの講義では、「マーケットとは何か」ということを理解し、考えを深めてきましたが、次のフィールドワークでは改めて現場を見て、北本のフィールドを感じて、そこで何が出来るのか、どんなマーケットをやってみたいのかを具体的に考えます。

日頃、まちの人たちがどのような使い方をしているのか、またどのようなルールがあるのかなども確認しながら、その場所にどんな可能性があるのかを探っていきます。

そしてこの日は、講義終了後に、ゲスト講師の鈴木さんが出会ってきた全国のマーケットや公民連携の取り組みのトップランナーの方たちが飛び入り参加。

群馬県庁に勤務しながら自身もマーケットの主催者として公共空間を活用している方や、自由と責任の元「いかに市民に公共空間を使い倒してもらえるか」を追求する愛知県豊田市の職員の方など、ユニークな行政マンの話を聞くことができました。

マーケット文化をつくることで、まちの未来をつくっていく。

北本市が本気で取り組むからこそ、講義を重ねるごとに参加者の熱量も上がってきていると感じます。次回のフィールドワークでは実際に足を運び、場の性質を理解することで、参加者のやりたいマーケットがどんな形になるのか。講義編の後半はマーケット実現に向けて重要な時間となりそうです。

Editor's Note

編集後記

サポートをする側、サポートを受けながら形にしていく側とそれぞれの立場があるなかで、マーケットはさまざまな方面によい影響を与えることが理解でき、やりたいことができるまちの寛容性が市民の期待や行動につながっているように思います。マーケットという場を通して、人やモノ、コトが出会い、そしてそれが学びや喜びへとつながっていくことで、自分の生活が豊かになっていく。「マーケットでまちは変わる」といった鈴木さんの言葉が少しずつリアルに捉えられるようになってきました。

マーケット文化をまちに根付かせようとしている北本市の本気を改めて感じました。

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