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LOCAL LETTERは、これまで800の地域・人にインタビューを重ね、1,000本以上の想いのこもった記事を公開。その取材・執筆・編集ノウハウを余すことなく伝える「ローカルライター養成講座」は今年で4期目となり、受講生はのべ60名にのぼります。
受講後の変化として前向きな経験を語る受講生は86.7%。そのうち60%は「仕事に活かせた」と語ります。
ライティングスキルを手に入れるだけにとどまらない、本講座で得られるものとは。
今回は、3名の受講生がそれぞれの経験と気づきを語り合いました。卒業⽣のその後に迫る鼎談によって、「ローカルライター養成講座」の真の価値を明らかにします。
「LOCAL LETTERの古くからの読者です」と話すのは、記念すべき1期生の仲⽥雄⼀さん。なぜ熱心な読者が、学びの場へと踏み出したのか。当時の動機を振り返ります。
「LOCAL LETTERを通して、地域を良くしようと行動する挑戦者のストーリーが日々届いています。
取り上げられている方々は、『自分軸』で生きている。単に組織の中にいるのではなく、自分の人生が第一にあって、豊かに生きる手段として働く場所を選んでいると感じています。そうした、さまざまな地域で自らの道を切り拓いている人の熱量に魅かれ、ファンになっていました」(仲田さん)
受講時は「帝国ホテル」に勤めていた仲田さん。勤務歴は18年以上になり、自分の仕事の成果はホテルの成長へと繋がっていました。そうしたやりがいの反面、「一ホテルのためではなく、日本中の活気に繋がるような仕事を自分もしたい」という気持ちが育っていったと言います。
「ちょうど転職を考え始めたタイミングで、ライター養成講座を知りました。第一にLOCAL LETTERとの新しい関わりしろであること。そして、自分の腕で経済的な対価を得るためのスキルを身に着けるチャンスでもあること。この二つの視点から、飛び込んでみようと思いました」(仲田さん)
一方で「講座の費用対効果が気になって、参加を迷っていました」と話すのは、2期生の⽥村結奈さん。講座受講をきっかけに新たなキャリアを開拓し、経験を形に変えている実践者の1人です。
受講の決め手となったのは「取材場所」。ライター養成講座では、1泊2日の特別取材合宿を実施。実際に現地に足を運び、地域プレイヤーへのインタビューを実践する機会が与えられます。
取材対象となる地域は毎回異なるため、受講生にとってはチェックしたいポイントの一つです。
「2期生の取材先は、北海道の東川町だと事前にお知らせされていました。東川町ならば、ずっと行ってみたかった『School for Life Compath*』に行けるかもしれないと、期待しながら申し込んだのがきっかけです」(田村さん)
*School for Life Compath…北海道東川町にある学び舎。デンマークの「フォルケホイスコーレ」をモデルに、日本ならではの形にカスタマイズされており、様々な年代・バックグラウンドを持つ人が集う。
結果的に、憧れていた場所での取材が実現しました。「取材をきっかけに気になるところへ入り込めるのは、なかなか無い機会」と⽥村さんは振り返ります。
仲田さんも「ただ記事を読むのと比べて、取材対象者が生きているフィールドに足を踏み入れてお話を聞くことは、彼らの生き様を感じやすい」とフィールドワークの価値に言及。
各地につながりをもつLOCAL LETTERだからこそ実現する、特別取材合宿。この体験が、他では感じられない「効果」に繋がっています。
講座にはライティング初心者だけでなく、メディアでの執筆経験がある方も多く参加しています。
今回の鼎談にご参加いただいたのは、茨城県下妻市で地域おこし協力隊として活動している宮澤優輝さん。下妻市が運営する地域メディアの立ち上げから執筆までに携わり、受講時にはすでに1年半ほどの経験を積んでいました。
独学が基礎となっていたメディア運用や執筆に磨きをかけるべく、講座への参加を決意。数あるライティング講座の中から、本講座を選んだ理由は「再現性の高さ」なのだとか。
「LOCAL LETTERは、自分の目指すスタイルに唯一当てはまるメディアでした。“ローカル”に焦点を当てるのであれば、本講座の内容は、他自治体や地域メディアなどに非常に応用がききやすいと思います」と講座の可能性を語ります。
LOCAL LETTERが大切にしているのは『三方よし』。講義の中でも頻出する概念です。ここでの三方とは、自社・社会・取材対象者。3者にとって良い記事であるという前提が、全記事に共通しています。
「近頃はSEO記事といったお金に直結するような記事が多く、作業的なものが多いと感じます。三方のうち、取材対象者の概念が薄い傾向がある。
一方、LOCAL LETTERは完全に3者が見えている。ここが他の講座と大きく違うと思います。
LOCAL LETTERの記事の面白さは、いかに取材対象者の言葉を引き出すかによって決まります。ライターのキャラに依存しないので、講座に倣って書けば、どの地域でもどの場所でも、ある程度のものが書けるという再現性の高さが強みなんじゃないでしょうか」(宮澤さん)
本講義ではライターの個性を伸ばすこと以上に、取材時の話の引き出し方や、対象者を魅力的に記述する力が重視されています。
ご自身が活動するフィールドにおいても応用可能な、ローカルライターとしての基礎が身に付くはずです。
3人が口を揃えたのは「編集がすごい」という点。ライター養成講座では、座学・特別取材合宿・執筆といった活動の他に、編集者からの徹底的なフィードバックが用意されています。
特に、最終課題となる記事は4,800字程度の初稿を提出したのち、構成や表現などに対して丁寧な添削を受け取ることができます。単に修正されるのではなく、解説と共に代替案を提案してもらえるので、執筆の振り返りに最適です。
別のライティング講座も受講した経験があるという田村さんですが、本講座の1番の魅力は編集者のフォローを含む実践の場だと言います。
「講座を通してライティングは自分1人で頑張らなくてもいいんだと気づきました。
自分がいい文章を書けているのか、伝えたいことを伝えられてるのか、執筆していると分からなくなることがあります。これが記事を掲載する上で一番不安でしたが、編集者さんに丁寧に見てもらえていると実感したことでとても安心しました」(田村さん)
こうした編集者からのフィードバックを得て執筆した記事は、取材対象者の記事確認を行ったのち、LOCAL LETTERに掲載されます。
これは、通常のLOCAL LETTERの記事作成と同様の流れです。 LOCAL LETTERの記事作成も、ライター個人が全てを請け負うのではなく、編集部とダブルチェックをしながら進められています。
講座終了後、希望する受講生は執筆依頼を受けることができます。もちろん報酬が発生し、早速ライティングを仕事にすることが可能。受講中に一度、掲載までの一連の流れを体験しているからこそ、受注する自信が身についています。
「LOCAL LETTERで記事を書き正式にリリースされた時は、メディアに認められた感覚がありました。すごく自信に繋がった気がします」と振り返る田村さん。卒業から1年ほどで、すでにLOCAL LETTERの記事受注を複数本請け負っています。
豊富な執筆経験を持って臨んだ宮澤さんも「講座に対して物足りなさは全くなかった」と語ります。
「知っている部分はもちろんありましたが、独学で学ぶのと誰かに教わるのでは、解像度と自信が全く違う。『これは合ってた』みたいな嬉しさも積み重なりました。
田村さんが言うように、編集者さんのフィードバックは尋常じゃない熱量です。あれだけで受講する価値がある。
物書きでも、あそこまで向き合ってくれる先輩や上司はなかなかいないと思います。任意課題も必ず取り組んで、余すことなくフィードバックを受けることをおすすめします」(宮澤さん)
受講生のこうした声を受け、期を経るごとに進化するライター養成講座。3名が受講していた時よりも、フィードバックを受けられる機会は格段に増えています。
そして仲田さんは、この編集を受けた経験が現職にも直接活きているのだと話します。
「今、働いている会社では毎週発行するメルマガがあり、私は編集を担当しています。編集するときは、講座での愛のあるフィードバックを思い出しています。
ただ書き直すだけじゃなく『こうした表現の方が中立的になるのではないでしょうか』など、編集する理由を添えて提案してみる。また、執筆・編集する時にターゲットや目的をきちんと意識しています。
この姿勢は講座を通して学んだことであり、しっかり仕事に繋がっています」(仲田さん)
ここまでは、3人が講座を受講した理由から、卒業生だからこそ実感する講座の魅力を紐解きました。後編では、3人が共感した講座の「価値」と、「こんな人に参加をおすすめしたい」という、受講検討中のアナタへのメッセージをお伝えします。
Editor's Note
受講生である私も本講座を経て、以前より自信がつきました。LOCAL LETTERでの執筆だけでなく、活動フィールドでの取材・執筆・編集に直結するスキルが身についたように思います。思い切って学び直してよかった!この一言に尽きます。
Komugi Usuyama
臼山 小麦