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LOCAL LETTER

「久志の民泊」が新たに始める、新たな地域課題解決とは|沖縄県名護市

SEP. 10

OKINAWA

前略
地域課題に触れてみたいあなたへ

1992年生まれの26歳、埼玉県出身の江利川法孝さんと1989年生まれの29歳、茨城県出身の坪松美紗さん。出会った頃から活発的に動き回り、論理的タイプの彼と、憧れていた東京での暮らしを満喫しながらも、興味のあることには挑戦する直感タイプの彼女。

そんな彼らが今から4年前の2014年に、当時全く縁もゆかりもない沖縄県名護東海岸久志地域(以下、久志地域)へ移住することを決める。久志地域を知れば知るほど、沖縄の中でも特に自然、文化、人、全てが豊かな地域だと感じている一方で、過疎化していう現状に誰よりも危機感を抱き、この地域に眠る「地域課題」に真っ向から向き合い続けるご夫婦の生き方について迫りました。

地域行事の一つ「豊年祭」での一枚
地域行事の一つ「豊年祭」での一枚

プロフィール
江利川 法孝(Erikawa Noritaka)
久志地域交流推進協議会 事務局長
大学入学後から石垣島のサンゴ礁保全プロジェクトに携わる中で、自然体験、エコツアー、防災教育など様々な分野に活躍の場を広げる。大学四年時には、岩手県釜石市の非常勤職員として働き、観光と復興の分野を担当。その後、静岡県にあるホールアース自然学校に就職、沖縄支社への移動を経て、現在は沖縄県久志地域で地域の人々と来訪者をつなげる「架け橋役」として、久志地域交流推進協議会 事務局長を務める。

坪松 美紗(Tsubomatsu Misa)
久志地域交流推進協議会 地域コーディネーター
大学院で江利川さんと同じく環境教育の分野を学ぶ。大田区役所で学校教育以外の学びの場づくり(社会教育)を担当しながら大学院に通う中で、江利川さんとの結婚を機に沖縄へ移住。地域づくりや地域コーディネーターの分野に興味をもち、ご縁もあって久志地域交流推進協議会への就職を決める。2017年には第一子を出産し、現在は久志地域交流推進協議会 地域コーディネーターを務める。

幼少期の原体験が最初の原動力

江利川さん(以下敬称略):幼い時から根っからの釣り少年だったんです。おじいちゃんと一緒に川に行って、鯉や鮒を釣っていました。それが僕が小学4年生になった時、釣れる魚が変わったんですよね。外来種ばかりになったんです。

環境が変わっていくことを自分の肌で体感したからこそ「自然を守る仕事がしたい」と思った。

坪松さん(以下敬称略):私は昔から学校教育以外の教育に興味があったんです。勉強も学校も大好きでしたが、ガールスカートを始めて日本や世界を回る経験をした時の感動は今でも忘れられません。

学校教育の中ではいけない場所やできないことを経験する中で、今まで知らなかった自然や世界の偉大さを感じた彼女。「学校教育では教えないけれど、生きる上で大切なことを学べる場づくりの仕事がしたい」と思うようになった。

そんな二人が同じ環境教育という学問を学んでいく上で知り合い、結婚し、縁もゆかりもない久志地域に移住をしたのは、本当に偶然が重なっての出来事だった。

東京でも沖縄でもやりたいことは変わらない

彼女が移住を考え始めたきっかけは、彼がすでに沖縄に移住してたこともあるが、大きなきっかけは彼とお揃いで買ったスニーカーだったと思う。家から職場、大学院まで毎日履いているのにも関わらず、綺麗なままの彼女のスニーカー。転勤ですでに沖縄にいた彼の泥だらけのスニーカーとは大違い。土を踏まない日々を過ごしている自分に気がついた瞬間だった。

坪松:東京での生活もすごく充実していて幸せを感じていた一方で、「本当にこれでいいのか?」という気持ちも持っていました。東京で暮らしていた時は「でも東京にやりたいことがあるし」と思っていたんです。思い切って移住した今思うことは、沖縄にいてもやりたいことは変わらないし、今まさに奮闘している最中だということですね。

坪松:東京にいた頃からやりたいと思っていた「人と人、人と自然、人と社会がつながる場」を通した地域づくりのコーディネートができる場所を探していたんです。

そんな時出会ったのが、「住み続けたくなる、持続可能な地域の実現」を目標に観光交流事業を行っていた「久志地域交流推進協議会(以下、協議会)」。務める上での唯一の条件は「久志地域に住むこと」。だから彼女が沖縄に移住をするタイミングで、それまで沖縄の西海岸に住んでいた彼も一緒に、東海岸にある久志地域で暮らすことになったのだった。

妊娠発覚時に地域の人からもらった「多くの祝福」

彼女が協議会で働き2年が経った時、事務局長という責任ある立場を任されたタイミングで妊娠が発覚した。申し訳ない気持ちと、不安を抱えながら妊娠を職場に報告した彼女。

そんな彼女に職場の人をはじめ地域の人たちは、溢れんばかりの「おめでとう」という祝福で迎え入れてくれたのだった。東京なら「え、今妊娠?」と言われてもおかしくない状況に、「おめでとう以外に何の言葉があるの?」と本人達以上に喜んでくれた日のことを彼女は忘れない。

坪松:東京で働いていた時は、自分の代わりなんていくらでもいると思っていました。久志地域は、人との繋がりがとても濃い場所。「自分さえ良ければ良い」ではなくて「誰かに喜んでもらえると、私も嬉しい」と汗を流せる人たちばかりで、毎日のように自分の存在価値を感じていますし、私もそうありたいと思っています。

江利川:僕が産休中の妻の代役として協議会で働くことになったんです。当時妻の代わりに働く人が必要だったという理由もありますが、久志地域のために自分にできることがあるなら、進んでやりたいと思っていました。

久志地域は年間を通じて多くの伝統行事が残っており、祖先や自然を大切にする文化が色濃く残っている場所。自然と人が近い距離で生きていることもあり、自然に対して畏敬の念をもっている方も多い。彼は当時も今もそんな地域の人たちの姿に憧れを感じているのだ。

地域行事の一つ「道ジュネ―」
地域行事の一つ「道ジュネ―」

地域の「もったいない」をなくしたい

坪松:地域の方のことが本当に大好きで、感謝でいっぱいなんです。忘れてしまいがちな相手への思いやりや、自然への敬意を思い出させてくれるのは、いつだって久志地域の人たち。私たちはもっと久志地域にいたいし、関わりたいと思っています。

だからこそ久志地域にあるものを活かしながら、地域がより良くなるためには何ができるかを日々考え、地域の人たちの想いやアイディアを大切にしながら一つ一つ形にしている。

それは久志地域のことが「好き」だから。でも、彼らの原動力は「好き」だけではない。久志地域の魅力を知っている彼らだからこそ、今の久志地域に「もったいなさ」を感じることが多くある。

毎日採れるお魚
毎日採れるお魚

江利川:久志地域には、第一産業以外の産業が少ないんです。近くには大都市があって、若い人たちは外に働きに出てしまうんです。久志地域には沖縄の中でも特に魅力的な資源がたくさんありますが、それを上手く活かせていない状況が多くあります。

坪松:いつも夫と二人で「もったいない」とよく言っているんです。ここには恵まれた自然や文化はもちろん、地域の人の「こんなことしたい!」「あんなことがあったらいいのに!」という想いがたくさん存在しています。

協議会の始まりも「民泊の受け入れを始めたい!」という地域の人の声からだった。想いはあるけれど、形にすることができなかったところに事務局を立ち上げてみんなで協力して受け入れが始まっていったのだ。

久志の民泊に関わってくださっている皆さん
久志の民泊に関わってくださっている皆さん

地域の方に支えてもらってきたからこそ、今の彼らがいる。東京からきた彼らだからこそ、都内の人が羨むような魅力的な資源や「もったいなさ」を強く感じている。

本当に地域のことが大好きだし、感謝の気持ちが溢れているからこそ、「もったいない」を解消したい。自分たちが地域の人にできる恩返しは、地域の人が大切にしていることを次の世代に繋げ、残していくことだと思うから、その方法を日々考え続けているのだ。

「誰も取り残さない」地域活性化を目指す

江利川:最近、僕らが大切にしているテーマは「誰も取り残さないこと」です。地域活性化を行っている地域の中には、SNSなどの対外的な情報発信では地域全体が盛り上がっているように見えても、実際は一部しか盛り上がっていないことも珍しくありません。僕たちは地域の人たちを誰も取り残さない方法を取りたいんです。

実際、今彼らが事業の中心に置いているホームステイ型の民泊には、一般の観光客が年間約300名のお客様が訪れ、軌道に乗り始めている。だが、地域の中でホームステイ型の民泊を提供できる民家は数少ない。今はまだ取り残してしまっている人たちがいるのも事実だからこそ、地域が抱える新しい課題に挑戦する必要があるのだ。

江利川:まだまだ数多くある課題の中で、今回僕たちが注目したのは「シークヮーサーー」でした。沖縄では気候の関係から同一の作物が同じ時期に収穫を迎えることが多々あります。シークヮーサーその最たる例。久志地域のある名護市エリアでは、年間400トン程度のシークヮーサーが余っているとも言われています。

坪松:シークヮーサーは疲労回復効果やガン予防、お肌の改善などあまり知られていない効能が多くある、いわば「宝」のような食材です。でも地域の人ですら、シークヮーサーの魅力について知っている人は少ないような気がします。本当に価値があるものを活かせていない今は「もったいない」と思うんです。

旬を迎えた沖縄のシークヮーサー
旬を迎えた沖縄のシークヮーサー

まずは身近にいる人たちにシークヮーサーの良さが伝えられる場をつくりたい、そんなことを考えていたある日。なんとなく彼が自身のInstagramで「シークヮーサーが大量に余っている」と呟いたことがあった。

坪松:私も夫も全く予想もしていなかったんですが、投稿に「送ってよ」というコメントがたくさん入ったんです。夫の弟さんは夫のInstagramを見て、50kgのシークヮーサーを買取り、お店のお刺身にシークヮーサーを添えて出してくれました。

今、多くの地域が力を入れている特産品の商品開発やブランディング。そんな中で彼らはInstagramでの経験から、人の繋がりで特産品を消費することができるのではないかという仮説を立て、今まさにその繋がりを現地ツアーという形で作ろうとしている。

「誰も取り残さない」を実現するための彼らの新たな第一歩。地域に関わって地域のことを考えて、地域をより好きになる人を増やすための挑戦はまだ始まったばかりだ。

 

草々

久志地域スタディツアー

受付中
2018年11月23日-2018年11月25日

久志地域スタディツアー

■日程
11月23日(金)〜25日(日)

■旅のスケジュール
【DAY1 (11/23金)】
・海岸を散歩(天然記念物のオカヤドカリも生息する美しい海)
・懇親会(地元の人が通う本物の沖縄料理のお店)
・民泊

【DAY2 (11/24土)】
・シークヮーサーの加工体験
・ランチ(目の前が海のテラス付きカフェ)
・ゆんたく(地元の方々のお家や、農家さんの農園でおしゃべり)
・民泊

【DAY3 (11/25日)】
・シークヮーサーの利活用ワークショップ

■金額
35,000円/ 1人

/ 含まれるもの /
・1泊2日の宿泊費(1日目:食事なし 2日目:朝食・夕食 3日目:朝食)
・懇親会費@名護蓬莱(1日目)
・昼食代(2日目)
・現地交通費
・現地での体験料金(材料費含む)

/ 含まれないもの /
・航空券(集合場所までの費用)
・昼食費(1日目・3日目)

 

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