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買い物じゃなく“出会い”に行こう。いいものと出会いたいアナタのための「農を感じるマルシェ」が浅間山の麓に開店!

JUL. 07

拝啓、活気にあふれたマルシェの様子を知りたいアナタへ

2022年5月4日・みどりの日、 浅間山にほど近い長野県小諸市の『こもろ まちタネ広場』にて、農を感じるマルシェ 『ASAMAYA MARCHE』が初開催された。小諸市内外の25の出店者が集結し、来場者は約1,500名。汗ばむほどの晴天の下、たくさんの笑顔が溢れた。

発起人兼主催者は2019年に小諸市に拠点を構え、同市の農ライフアンバサダーを務める武藤千春さん。「いいものと出会いたいあなたのためのマルシェ」をコンセプトに、出店者と来場者、出店者同士の出会いと新たな繋がりの醸成を目指したという。 

今回は、そんな活気にあふれた『ASAMAYA MARCHE』当日の模様を中心にレポートをお届け!初開催とは思えない熱気をぜひ記事でご堪能ください。

農と自然を感じながら、いいものと出会い、初夏の休日を楽しむ

会場の『こもろ まちタネ広場』は、しなの鉄道・小諸駅から徒歩数分。民間駐車場だった土地を市が買い上げ、市民たちの力で整備してきたという。日頃は市民団体が朝ヨガなどの定例イベントを開催している。

マルシェの日は広場中央の芝生エリアを子どもたちの遊び場とし、周囲を囲む通路沿いにブースが並んだ

出店物は、農産物とその加工品を中心に、飲食店はもちろん、Tシャツや犬小屋、写真展や走るログ小屋、古書販売など、バラエティーに富んだラインナップ。

出店者の半分が小諸市内から、もう半分は長野県の他地域を中心に、遠く東京から駆け付けた出店者も。今までにも小諸市内の事業者が出店するマルシェは開かれていたが、他の地域からこの数の出店者が集まるのは初めて。小諸市内からの出店者の中にも、マルシェ初出店の農家やお店があり、地元の来場者にとっても新鮮な顔ぶれになっている。

ゴールデンウイーク中の晴天日とあり、開場時刻の10時からぞくぞくと来場者が集まってくる。
ゴールデンウイーク中の晴天日とあり、開場時刻の10時からぞくぞくと来場者が集まってくる。
受付で、体温測定・消毒済のシールを受け取り、見えるところに貼って入場。
受付で、体温測定・消毒済のシールを受け取り、見えるところに貼って入場。
受付の隣は、『amari farm』のブース。長野県小諸市や群馬県で標高700〜1300mの土地の寒暖差を利用し、レタスや白菜、キャベツ、ネギなどを減農薬、有機主体の施肥を使って栽培している。マルシェでは、採れたての小諸産レタスやオリジナルドレッシング、こだわりのネギをふんだんに使用した焼肉のタレなどを販売。ドレッシングと焼肉のタレは早々に売り切れていた。『amari farm』の先には、『松澤農園』のリンゴジュース、小諸銘菓、蕎麦、大豆製品など、小諸市の出店者ブースが並ぶ。
受付の隣は、『amari farm』のブース。長野県小諸市や群馬県で標高700〜1300mの土地の寒暖差を利用し、レタスや白菜、キャベツ、ネギなどを減農薬、有機主体の施肥を使って栽培している。マルシェでは、採れたての小諸産レタスやオリジナルドレッシング、こだわりのネギをふんだんに使用した焼肉のタレなどを販売。ドレッシングと焼肉のタレは早々に売り切れていた。『amari farm』の先には、『松澤農園』のリンゴジュース、小諸銘菓、蕎麦、大豆製品など、小諸市の出店者ブースが並ぶ。

ASAMAYA MARCHE主催者の武藤千春さんが手がける農ライフブランド『ASAMAYA』のブースには、小諸産のタラの芽や菜の花・野菜、無農薬栽培されたひまわり油、リンゴジュース、規格外野菜のピクルスなど小諸の "農" が感じられる商品が並ぶ。
ASAMAYA MARCHE主催者の武藤千春さんが手がける農ライフブランド『ASAMAYA』のブースには、小諸産のタラの芽や菜の花・野菜、無農薬栽培されたひまわり油、リンゴジュース、規格外野菜のピクルスなど小諸の “農” が感じられる商品が並ぶ。

受付の反対側は飲食物のブースやキッチンカー。ラーメン・餃子・ポテトなど、どれも美味しそうで迷う人が続出。快晴で気温が上がり、冷たい飲み物のブースには列ができた。

年齢問わずに楽しめる多彩なワークショップ

予約不要で、その場で体験できるワークショップも複数開催され、大人も子どもも真剣に取り組み、できあがったものを大切に持ち帰っていく。

『BESS』のブースでは、薪割体験、コースターに焼印を入れる、檜のスプーンを磨き上げるワークショップを開催。薪割体験は子どもたちがチャレンジ、スプーン磨きは大人もはまっていた。
BESS』のブースでは、薪割体験、コースターに焼印を入れる、檜のスプーンを磨き上げるワークショップを開催。薪割体験は子どもたちがチャレンジ、スプーン磨きは大人もはまっていた。
『 ディバースラインクラブ』が提供する、持続可能な森づくりのために間伐した木材の木くずからお香を作るワークショップ。5種類の木から好きな香りをブレンドして自分だけの森の香りが楽しめる。
ディバースラインクラブ』が提供する、持続可能な森づくりのために間伐した木材の木くずからお香を作るワークショップ。5種類の木から好きな香りをブレンドして自分だけの森の香りが楽しめる。

他にも、佐久市を拠点とするアパレルブランド『BREW clothes』 のブースでは、好きなデザイン(絵柄)を選び、好みのインクカラーでTシャツにシルクスクリーンプリントできるワークショップを開催。マルシェ終了時間間際には、出店者も自分のオリジナルTシャツを作って喜んでいる姿が印象的だった。

会場奥で目を引く2台の車は、走るログ小屋『IMAGO iter』と古書販売の『BOOK BUS』。

『IMAGO iter』は、“「住む」より「楽しむ」” をコンセプトに自然の無垢材を使ったログハウスを広めるブランド『BESS』 が提供する、走るログ小屋。

庭に置いて書斎に、キャンプ場で宿泊に、と用途は多様。今回は、武藤千春さんが主催するファッションブランド『BLIXZY』のポップアップストアとして登場した。

『BOOK BUS』は、信州・上田市を拠点に「捨てたくない本」を集めて販売している『VALUE BOOKS』の移動式本屋プロジェクト。

今回のマルシェのテーマに合わせ、”農” や “食”などのテーマで選書した古本を販売本の買い取りも実施した。バスの側面はチョークで描ける仕様になっており、子どもたちが楽しそうに描いていた。

一人の移住者の想いから生まれた出会いと笑顔

今回のマルシェ発起人・主催の武藤千春さん。約2年前に家族で小諸市に移住。移住後に始めた野菜づくりにはまり、農ライフブランド『ASAMAYA』を立ち上げ、農ライフや地域の魅力を伝えながらフードロス課題解決に向けた規格外・廃棄野菜のレスキュー活動なども手がける。

2022年2月に小諸市の農ライフアンバサダーに就任。小諸でもっと楽しい農ライフを送るための情報を発信している。今日のマルシェを企画したのは、約1ヶ月前。準備期間は短かったが、小諸の人たちの前向きな協力のお蔭で無事開催できたと語る

「大勢の方が来てくださり、楽しんでいただけている様子で、ホッとしています。出店者さんと来場者の方々がちゃんとコミュニケーションできており、出店者さん同士も交流してくれていて安心しました」(武藤さん)

最終的な集計では、来場者数 1,500。その内1,000人にどこから来られたかアンケートを取った結果は、小諸市内 350人、東信エリア300人、東京 100人、その他長野県250人となり、小諸以外から訪れた人が6割以上を占めた。

友人の誘いで東京から来られたという来場者の方は、「小諸という名前は知っていたけれど、どんな所で何があるのかわからなかったんですよね。でも来てみたら、山と自然に囲まれて町並みも綺麗で素敵なところでした。マルシェも賑わっていて楽しいです」と笑顔で語ってくださった。手に提げたエコバッグから頭を出していた野菜は、東京のご自宅で小諸の話題を盛り上げてくれるのだろう。 

近隣にお住まいという家族連れの方が「知り合いがたくさん出店しているので家族で来ました。小諸以外のお店など初めてのところもあり、賑わっていて楽しいですね」と語ってくださる隣でお子さんが頷いており、満足な一日が過ごせた様子だった。

さらに、来場者として来られていた小諸市長・小泉俊博さんの姿も。

「このイベントの企画を武藤さんから聞いたのは確か3週間ほど前。初開催で準備期間は短いですが、武藤さんなら成功させるだろうと思っていました。小諸には2種類のDNAがあるんですよね。一つは商都として栄え、外部の人の行き来が多かったこと。それが現在の移住者との交流が盛んなところに繋がっています。

もう一つは新しいものごとに積極的にチャレンジする気風です。動物園や図書館をはじめ、長野県初のものが多いんですよ。ここ数年は移住者も増え、一頃に比べて活気が出てきました。協力して新しいことをどんどんやっていきたいです」(小諸市長)

“農”、“小諸”そして“人”との繋がりを生み育む

明治の文豪・島崎藤村ゆかりの宿として120年以上続く『中棚荘』。お話を聞いた富岡和歌子さんは、7年前の2015年に中棚荘を営む富岡家の方と結婚。小諸で暮らし始めた。

「歴史のある建物はあるけれど、賑わいの少ない町という印象でした。それがここ3,4年で大きく変わりましたね」(富岡さん)

中棚荘と“農”の繋がりは深い。敷地内にあるアカシアの花からはちみつ、梅の木から梅ジュースを作って販売している。2002年にブドウ畑を拓き、シャルドネを植えた。その後、他の品種も定植し、2018年にはワイナリーも立ち上げ、ワイナリー貸切のワーケーションプランも提供している。

マルシェにはしばしば出店しているが、今日は出店者の顔ぶれも来客者の層も普段とは違い、「個人の力でここまでできるものなのだ、と感嘆しました」と語る。

小諸市内に1970年から続く『ベルコーヒー』店主の山本勇樹さん。武藤さんから「飲み物をお願いしたい」と声をかけられての出店。奥様の『虹心家』の洋菓子も販売。

「イベントに出店するようになったのは5年前くらいからです。今日のイベントは、お酒もあるし、若い人が多くてフェスっぽい感じですね。SNSに記事をアップする度に反響が大きく、投稿のしがいがありました」(山本さん)

木くずでお香を作るワークショップを提供した、一般社団法人ディバースラインの代表理事 天野紗智さん。小諸を拠点に、プロスノーボーダーとして活躍しながら、持続可能な森づくりに取り組んでいる。

「林業と農業は関連が深く連携も必要だと思い、武藤さんの活動を知った時、すぐに連絡しました」と大きな笑顔を見せた後、プロアスリートの新しい生き方としての発信も広げたいと力を込めていた。

武藤さんの声がけで、東京都世田谷区から車を走らせて来た、SETAGAYA STAND代表取締役の白石高大さん。立飲みバーを営んでいるが、イベント出店は初めてという。

「武藤さん以外の出店者さんも来場者の方も全員はじめましてです。他の出店者さんたちにはイベント出店のノウハウを色々教えていただきました。多様な繋がりができ、来てよかったと思います」(白石さん)

コロナ禍で飲食店が休業し、たくさんの食材が行き場を失った時、白石さんは余ったレモンを大量に引き取り、飲み物に利用して販売した。今回の出店を契機に小諸の農と東京を結びたいと、今日のマルシェで購入したタラの芽を明日東京の店でフリットとして提供するそうだ。

走るログ小屋『IMAGO iter』を提供するBESS の小山剛さんは、パートナーの郷里である小諸に2013年に移住。週1回東京への新幹線通勤を続けてきた。

「当時は、20代の若い奴が地方に移住して新幹線通勤するなんて理解できないという風潮でした。でも、探してみたら、小諸にも同世代の移住者もいて、面白いことをやっていたんですよね。近頃は『信州で暮らして、東京の会社に勤めている』というと『いいね』と言われるようになりましたし、移住して来られる方もほんとうに増えましたね」(小山さん)

初開催で大成功を収めた『ASAMAYA MARCHE』。今秋を目処に次回開催を計画中!新米や秋の味覚が盛りだくさん、さらにパワーアップしたマルシェに参加してみてはいかがでしょうか?

詳細は、主催者「ASAMAYA」のTwitterをフォローしてくださいね。

Information

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場所に縛られずに、 オモシロい地域や人と もっと深くつながりたいーー。

LOCAL LETTER MEMBERSHIP とは、「Co-Local Creation(ほしいまちを、自分たちでつくる)」を合言葉に、地域や社会へ主体的に関わり、変えていく人たちの学びと出会いの地域共創コミュニティ。

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Editor's Note

編集後記

5月の快晴の空の下、来場者も出店者もとても楽しそうなのが印象的でした。初開催とは思えないほど運営もスムーズで、楽しむことに集中できるイベントだったと思います。武藤さんと小諸の町の人たちの想いとパワーが共振した結果のように感じました。
次回は取材を離れて、ゆっくりと買い物やワークショップを楽しみたいと思います。

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