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LOCAL LETTER

チャンスとピンチは51対49。圧倒的活動量で地域活性化のチャンスを掴む実業家の頭の中

NOV. 23

拝啓、地方創生のエンジンになりたいアナタへ

※本記事は北海道上士幌町、株式会社ソミックマネージメントホールディングスのスポンサードによって開催した、地域経済サミット『SHARE by WHERE』のセッション内容をレポートにしております。

地方創生や地域活性に欠かせないのは「人」。

すでにあるヒト・モノ・コトを繋げ、新たな価値を生み出すためには、どんな視点を持ち、行動することが必要なのでしょうか。

今回は、北海道上士幌町を舞台に開催した地域経済サミット『SHARE by WHERE』の中でも「地方創生のファクターXは『人』社会価値創造に挑む実業家の頭の中」と題して、実践者たちが行ったトークセッションをお届け。

笑顔に溢れた社会を次世代に手渡す為に、自動車部品メーカーの領域を超えた積極的な投資や大胆な組織変化を、静岡県浜松市で実践する「ソミックグループ」に携わる豪華実業家メンバーが登壇。

大都市ではない土地で、ソミックと共に持続可能な社会創りに挑戦する実業家たちは、何を思い、行動しているのかーー。その思考を紐解きます。

最終的に選択をするのは自分。重要なのは、高いエネルギーで「自己表現する」こと

大倉氏(モデレーター。以下、敬称略):このセッションでは、地域を活性化していくためには何よりも「人」そのものが重要なのではないかと仮説を立てて、まさに自らが原動力となって新しい価値を生み出し続けている登壇者の皆さんにお話を伺いたいと思います。

大倉 正幸(Masayuki Okura)氏 株式会社ソミックトランスフォーメーション 代表取締役、株式会社ソミックマネージメントホールディングス 取締役、株式会社ソミック石川 取締役 / 1982年生。グロービス経営大学院経営学修士。三菱UFJ銀行、DENSOなどを経て、企業再生、事業企画、海外事業、M&A、スタートアップなど、シリアスだがダイナミックでやりがい溢れる領域を数多く経験。次の10年は社会の分岐点と考え、次世代に渡せる持続可能な社会創りと、それを可能とする企業経営モデルの確立に貢献したいと考え、2019年より現職。

大倉早速ですが、山谷さんが地域やスポーツに着目するようになった背景には、どんな出来事があったのでしょうか?

山谷氏(以下、敬称略)自分が意図して、地方でスポーツを盛り上げることを目論んで戦略的に始めたのではなく、いずれも偶発的だったんですね。ただ、いまはプロスポーツというコンテンツで経済活動を生み出して、地域にお金が落ちるという流れをつくっていくことが自分のやるべきことだと思っています。

スポーツの勝ち負けはコントロールできませんが、勝った時には地元の人が喜ぶ根元になりますし、子どもたちの目標にもなります。まちの中心部に若い人がいないという課題があっても、スポーツがまちを変えるきっかけにもなれる。プロスポーツにはそんな価値があると思っています。

写真右画面・一番右手>山谷 拓志(Yamaya Takashi)氏 静岡ブルーレヴズ株式会社 代表取締役社長 / 早稲田大学スポーツビジネス研究所 招聘研究員 1970年生 慶大卒93年リクルート入社。リンクアンドモチベーションを経て07年宇都宮ブレックス創設。10年に日本一となり3期連続で黒字化を達成。日本バスケットボールリーグ専務理事を経て14年茨城ロボッツ社長就任。経営を再建し21年B1リーグ昇格。20年スポーツビジネス大賞ライジングスター賞受賞。21年6月から現職。

山谷今まで3つのチームの社長をさせていただいていますが、全て僕は受け身なんですよね。今考えると、36歳の社長経験がなくて、栃木生まれでもなくて、バスケ経験もない僕によくぞ栃木のバスケチームが声をかけてくれたなと思いますね。ただ、そんな声かけからチャンスが広がって今の人生がありますから、本当にありがたいと思います。きっかけが受け身であろうと、自発的であろうと、最終的に選択をするのは自分ですからね。常に、チャンスとピンチは51対49だと思っています。なんとかその人の思いに向き合いたい、お願いされた以上の結果を出したいと思ってやっています。

長島氏(以下、敬称略):山谷さんに社長を依頼された方って、恐らく周りを見渡した時に一番輝いているものを見つけたんだと思います。山谷さんご自身では、その輝きにはお気づきになられていなかったのかもしれませんが…。発信力がない人のところには誰も行かないんですよ。普段の活動の中で自分の能力を表現できていないと誰からも声はかかりませんからね。

私も色々な形で人にお願いすることがありますが、やっぱり声がかかる方ってキャラが立っているといいますか、ユニークなんですよね。山谷さんは表現力が卓越していたんだと思います。

長島 聡(Nagashima Satoshi)氏 きづきアーキテクト株式会社代表取締役/早稲田大学にて自然科学者として10年、ローランドベルガーにて戦略コンサルタントとして25年を経て、2020年に「気づきを築く会社」きづきアーキテクトを創業して、賑わいの量産に挑戦中。文化を育みながら賑わいを創出する文化観光や、AI、IoT、XRなどのデジタル関連スタートアップ、ものづくり企業、デザイン会社、クリエイティブエージェンシーとの協業を梃子にした新たな体験や行動の創造を推進中。

田久保氏(以下、敬称略):一つ例を出すと、東日本大震災の後、すごく活躍していた人たちって極めて高い確率で相互に知り合いだったという事例があります。当事者の皆さんは「(知り合いなのは)偶然です」と答えるんですが、めちゃくちゃ活動量の高い人たちが、復興のためにあらゆるところで「頑張ろう」と言っていたら、必然的に知り合うんですよね。ある一定の空間の中をものすごいエネルギーで動き回っていたら、両者がぶつかる確率は高まる。

山谷さんは「意図的じゃありません」と言いますが、結果的にいろんな人にぶつかって、いろんな人に出会って、業界では名前が売れていて、「山谷さんに相談してみたら、なんとかなるかもしれない」と言われる存在になっていたんだと思います。

写真右画面・中央>田久保 善彦(Takubo Yoshihiko)氏 グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長 教授/慶應義塾大学理工学部卒業、修士(工学)、博士(学術)。三菱総合研究所を経て、現在、グロービス経営大学院にてマネジメント業務・研究等を行なう傍ら、リーダーシップ系科目の教鞭を執る。 経済同友会幹事、上場企業、ベンチャー企業社外取締役等も務める。

関係性は深めることも、広く浅くつくることも大事。良い繋がりをつくる方法

大倉:活動量の高い人たち同士が、良い信頼関係をつくっていくために必要な要素としては、どんなことが考えられますか?

石川氏(以下、敬称略):一言で言うと、「愛」かなと思います。僕自身の実体験として、「全ての人が幸せになるカタチ」とか「いいものをつくりたいんだ」と発信するようになってから、共感してくれる方の数が増えました。

写真右画面・左手>石川 彰吾(Ishikawa Shogo)氏 株式会社ソミックマネージメントホールディングス 取締役 / 株式会社ソミックトランスフォーメーション 代表取締役 静岡県浜松市生まれ。オハイオ州立大学卒業後、自動車メーカーで国内4輪工場にて生産管理業務、インドへの駐在を経験した後、自動車部品メーカー、ソミック石川へ入社。グロービス経営大学院で学び、2018年に卒業し、現在は、ソミックマネージメントホールディングス取締役として創業106年の企業再編を推進中。

長島:一つは色んなところに出向いた時に、広く観察をすることが大事だと思います。これはどんな人たちの集まりなのか、もっと言えば「どんな変な人たちがいるのか」「自分と違う見方を持っている人がいるのか」という視点が大事。二つ目に、「志が同じであればそれぞれの凄技で勝手にやってくれればいい」という感覚ですね。この二つがあれば上手くいくのではないかと思います。

山谷:活動量という意味では、当時からすごく多かったと思います。好奇心で色々な人に会いに行ったり、自分自身の興味関心の中で多くの人との接点を広げていました生まれも育ちも関係ない土地へ行っても、本当にその土地のことが好きになるんですよね。「この土地はこうだぞ」みたいな先入観に囚われずに、これまでにないアプローチの仕方で考えるようにしています。

大倉:出会った後に、発展させたり、多層的にしたりする観点では、また違った要素が必要になってくるのかなと思いますが、その点はいかがでしょうか?

石川常に大きなスケールで物事を見続けることが大切だと思っています。最初から全ての人が「いいね」と言ってくれることってあまりないと思うので。一つの大きなスケール感で、「全ての人がいいと言ってくれるものは何か」という見方を意識すると、いろんな人に刺さると思います。

枠の中に収まって、その中だけで何かをするのではなく、1つ大きなサイズにしてみたり、少しずらして考えるというのは、結果的に可能性を広げていくことになりますよね。

長島:今はSNSという便利なツールがありますから、会っていなくても、お互いの発信を見ることで、相手を知ることができるケースって結構あるんですよね。よほどのことがない限り繋がるようにして、日々の中で「あの人はこういう能力に長けた人だな」とフラグを立てておくそして、いざやりたいことがあったら、声をかけにいくという感じですかね。

田久保:そもそも人の繋がりにはいくつかの種類があることを認識するのは大事かなと思っていて。関係性を深めることも大事ですが、浅くても広げておくことの重要性もあるんです。そして、人と人とのネットワークを維持するのも、発展させるのも、めちゃくちゃエネルギーと時間とお金がかかることを認識すべきだとも思っていて。

地方創生を考えたときに、1人でやれることは何もなくて、じわじわと人との繋がりを増やしていかざるを得ないので、一手間を抜かずに育てていくことが重要なんです。真ん中に入って、覚えてもらって、中心になって広げていくという積み重ねができる人が、リーダーになってくると思います。

山谷:僕は見知らぬ土地で、本当に繋がりがない状態からスタートすることが多いんですが、とにかく最初は場数を踏んで、いろんな方に会うことかなと思います。当然、母数を増やさなきゃいけない。一方で、志や考え方が近いような人がいる場所に行くのも一つですね。

多くの人の力を借りるために、愛のある「戦略的バカになろう」

大倉:最後にお一人ずつメッセージをいただければと思います。

石川:今日のディスカッションの中で感じたことを言語化したいと思います。まず色々なことを実現させていくときは、たくさんの人の力を借りたり、お願いする必要が出てくる。その時に大切なことは、どれだけ素直になるか。現実を変えるために、戦略的にバカになれるといいなと思いました。

私はこれから皆さんと一緒に、「創造・未来・挑戦」できる社会(=ソミック石川)をつくっていきたいと思いますので、私自身も戦略的にバカになります!

田久保:地方創生はそんなに簡単に物事が進むものではなくて、すごく時間がかかります。誰かがリーダーシップを発揮して何かをやっていく時も、大変なことがたくさんあると思います。そのプロセスで一番大事なことは、心と身体の健康です体調が悪くなったら、心も弱くなるし、何もできなくなってしまう。地方創生を頑張るのであれば、心と体の健康を第一優先で考えてもらえればと思います。

長島:人の繋がりをつくるため、繋がりから新しい価値を生むためには、いくつか必要なことがあります。一つは、突き詰めていることを、色々な場面で人に通じる形で見せること。異分野の人たちにも理解をしてもらえるように、言語化をして能力の流通を助けてあげる役割が大切だと思います。

もう一つは、日本はまだまだ構想の量が足りないです。「俺はこういうことをやってみたいんだ」と無謀でも、どんどん投げ込めるような人が必要かなと思っています。そして、相互にそれぞれの能力を使い合えるようになってくると強い。ボランティアではなく、能力をしっかりと価値に変えて、組み合わせて世の中に出していくことで、しっかりと収益を得て、結果として分配される。そんな循環がつくれたらいいと思います。

山谷:僕はこれまで知らない土地で色々な方に繋いでいただいて、改めてありがたいなと実感しました。この大きなテーマの最後の結論として相応しいかわかりませんが、紹介してもらったり、繋いでもらったあとの「報連相」がすごく大事だと思います。上手くいってもいかなくても、経過を報告するというのは大切な心構えですね。

大倉:みなさん、本日はありがとうございました!

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